妻は作家で、夫は町の書店員。妊活、健診、保育園落選…赤ん坊が1歳になるまでの親と子の驚きの毎日! 今の社会に生きづらさを感じている人にもおすすめの全く新しい出産・育児エッセイが発売されました。
WEB連載時より大反響!
妊娠中に、「母ではなくて、親になろう」ということだけは決めたのだ。
親として子育てするのは意外と楽だ。母親だから、と気負わないで過ごせば、世間で言われている「母親のつらさ」というものを案外味わわずに済む。
母親という言葉をゴミ箱に捨てて、鏡を前に、親だー、親だー、と自分のことを見ると喜びでいっぱいになる。
(本文より)
「自然分娩をしてこそ、母親?」「子どもは“自分の時間”を奪う?」「“女性ってすごい”っていうイクメンって、父親?」……
“自然”や“普通”など、多くのレッテルが貼られて、追いつめられてしまいがちな妊娠・出産・子育て。
37歳で第一子を産んだ山崎さんが、“母”ではなくて“親”の目で、それらを見てみると !?
妊活から保活までの日々、そして周りを照らす灯りのような赤ん坊の成長を綴る、痛快エッセイ。
「男」や「女」ではなく、「人」として生きたい人、今の社会に生きづらさを感じている人にもぜひおすすめです。
WEB連載時より、「読むと救われます」「読後、自由な気持ちになる」「目からウロコ」など、読者の熱い反響があった連載が、ついに単行本化!
【『母ではなくて、親になる』発売記念プレゼントキャンペーンを開催】
書籍に同封のメッセージカード(初回出荷限定)に、『母ではなくて、親になる』の感想・著者へのメッセージなどを書いて、河出書房新社までお送りいただいた方から、抽選で100名にヨシタケシンスケ氏のイラストが入ったスペシャルプレゼント(缶バッジ&ミラーセット)が当たります。
さらに、お送りいただいたメッセージの中で、河出書房新社SNSなどで掲載させていただいた方にはもれなくプレゼントいたします。
*応募締切:2017年7月31日(当日消印有効)
〜著者からのメッセージ〜
この本に出てくる親は、世間的には「負け組」です。
私はブスで、優しくなくて、女性としての美徳に乏しく、そして仕事は、文学賞に縁のない作家です。
夫は、温和で優しく、「町の本屋さん」で素晴らしい仕事をしていますが、頼り甲斐のない性格で、安月給のヒラ社員です。
でも、子どもは、そんな私たちのことが好きでたまらないみたいです。それで私も堂々とすることにしまして、世間の他の親に比べたら大した世話をしてあげられていないし、しかも、子どもに友人ができたらからかわれそうなペンネームで仕事しているのにもかかわらず、「いい親」をやっている気分で毎日楽しく過ごしています。
妊娠中に、育児に関する文章を読んで、「つらい」「大変」「苦しい」といった言葉が溢れていることに驚き、自分もそんな風になるのかな、と思っていたのですが、産んでみたら、楽しいことばかりでした。
多様性の肯定のために、私みたいな親もいる(「楽しくてたまらなくて、特につらさを感じていない」「女性らしさにこだわらずに育児をやっている」)と、本にすることに意味があるのでは、と考えました。もちろん、つらい中で頑張っている人や、女性らしさに誇りを持って育児をしている人も世の中にいるはずで、そういう方を否定する気は毛頭ありません。ただ、私みたいなのもいて、いろいろな人が育児をしている、というところを、面白い文章にできたらいいな、と思いました。
社会的なことや、仕事の話なども盛り込みましたので、子どもに関係なく生きていらっしゃる、育児に興味がない方にも、面白く読んでもらえるのでは、という自負もあります。
真面目に読まなくても構いませんので、ぱらぱらめくってもらえたら嬉しいです。
山崎ナオコーラ